総会長挨拶

                           ご挨拶

 この度、第100回日本細菌学会関東支部総会を、平成29年9月28日(木)〜29日(金)の2日間の会期で、帝京大学板橋キャンパスにて開催することとなりました。

本学会の総会は1902年(明治35年)に第1回日本医学会(微生物・寄生虫学・衛生学の連合部会)が開催され、1927年には北里柴三郎先生が総会長として第1回衛生学微生物学寄生虫学聯合学会(第1回日本細菌学会総会)が開催されるなど歴史ある学会です。日本細菌学会関東支部総会においては100回となる記念の学術集会となります。さて、本学会においては、細菌学、真菌学、感染症学、生体防御・免疫学、感染疫学、環境微生物学、ワクチン・抗菌化学療法などの予防・治療医学を中心に、医学系・歯学系・薬学系・農獣医学系・理学系・生命工学系などの幅広い領域の多彩なテーマを学際的に取り扱っており、本学会が推進する研究の裾野は拡大しています。第100回支部総会では、このような学術活動の成果と実績、最近の問題点を「細菌学の進歩と問題点」のテーマのもとに多彩な研究活動を糾合し、一層の発展を図るもので、その社会的また学術的意義と役割は極めて大きいと考えます。特に、細菌学の進歩に関しての教育講演やシンポジウムの企画として「抗菌薬開発の歴史」、病原菌として研究が著しく進展した「ヘリコバクター•ピロリ」や「細胞内寄生菌」の話題、「感染症の重症化と病原体と宿主応答との関連」などについて、この分野のエキスパートの先生による講演や発表を企画しています。また、 現在の大きな社会的問題の一つに多剤耐性菌の問題がありますので、今回は「多剤耐性グラム陰性桿菌」に焦点を当てたシンポジウムを企画しました。帝京大学における多剤耐性アシネトバクターに対する院内感染事例の反省を踏まえ、当大学では本菌の薬剤耐性機構を含む病原性の解析を実施するとともに、病院を挙げて院内感染対策に取り組み、成果を挙げていますのでご紹介いたします。また、女性研究者支援の取り組みについての教育講演も企画しました。

 一般演題におきましても例年通り多数ご発表いただきまして、活発な討論と情報交換がおこなわれることを期待しています。

 日本細菌学会関東支部会員の皆様におかれましては、本学術集会に多数ご参加いただきますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

                                               謹白

平成28年6月 

               第100回日本細菌学会関東支部総会  

                        会長 斧康雄

        (帝京大学医学部微生物学講座 主任教授/内科感染症外来診療教授)